初めての体験は、未知の世界で大人でも緊張して怖いものです。ましてや子犬であれば恐怖で震え上がってしまうのではないでしょうか。子犬にとって初めての「シャンプー」は決して避けては通ることのできない大イベントです。成功させて、シャンプー好き綺麗好きなワンコにしちゃいましょう。
子犬に恐怖感を与えない洗い方
犬を清潔に保つために必ず行わなくてはならない「シャンプー」。どうせなら楽しく簡単に済ませたいものです。犬がシャンプーを好きになるか嫌いになるかは、子犬の時期にかかっていると言っても過言ではありません! ここでは、シャンプーの極意をいくつかご紹介させていただきます。
シャンプー前はリラックスさせよう
犬は、変化に敏感な動物です。ちょっとした異変でも素早く察知してしまいます。そのため、シャンプー前は普段どおりの状況で子犬と遊び、楽しんでいる状態のままで浴室に誘導してあげてください。シャンプーを開始する前に無駄に緊張させたり驚かせてしまったりしたら、元も子もありません。子犬にとっては「何をするのかな?」ぐらいの状態が、ちょうどいいのです。
気持ちが良いお湯の温度と洗う順番とは?
子犬に恐怖感を与えないよう、優しくブラッシングをして気持ち良くさせてから、そっとシャワーを出します。温度は37度ぐらいのぬるめで設定し、足、お尻から首、あごの下、前足という順で濡らし、優しく撫でるようにしてシャンプーをします。
シャンプーをしたら気持ちが良い!ということを教える
子犬のシャンプーが終わったら、痛くないように優しくタオルで拭き、ドライヤーを近づけすぎないよう注意しながら乾かしてあげてください。タオルドライとドライヤーでの乾燥に苦手意識や悪印象をもたれてしまうと、成犬になってから乾かす時にとても苦労します。犬にとっても水を吸った重たい体よりも、乾いてスッキリした体の方が絶対に心地よいはず。優しく優しく乾かしてあげましょう。
マッサージやスキンシップを多めに
乾かしている途中、または乾かした後に、子犬がうっとりして眠くなってしまうぐらい優しくマッサージをしたり撫でてあげたりすると、シャンプー=「気持ち良い」というイメージを印象づけることができます。
シャンプーしたら良いことがあることを教える
一生懸命頑張った後は、誰だって何らかの見返りやご褒美が欲しいものですよね。それは子犬だって同じこと。子犬がおとなしくシャンプーを耐えられたら、嬉しいことや良いことが起こるという体験をさせてあげてください。その経験により子犬は「シャンプーの後は良いことがある!」と理解して、楽しみに感じるようになり、シャンプーへの無駄な抵抗が少なくなります。しつけや教育には、ある程度のあめとムチが必要なもの。メリハリをつけて対応してあげてください。
シャンプーが終わったら褒めてあげよう
シャンプーと乾燥が完了したら、頑張った子犬に「よく頑張ったね!」「偉かったね」と褒めてあげましょう。子犬にとって、「おとなしくシャンプーを受け入れると褒められる」という認識が生まれ、褒めてほしいがために、行儀良くシャンプーを受け入れる態勢ができるのです。
シャンプー後にご褒美をあげる
初めての体験に頑張って挑戦した子犬を褒め、ご褒美におやつをあげてください。初めて挑戦したシャンプーの後で疲労しているかもしれないので、胃に負担をかけないようおやつのサイズは小さいものか、いつもより少なめに与えましょう。もしくは普段より多めに遊びの時間をとってあげるのもベストです。スペシャルな行動を行うと、「シャンプーをした後にはこんな嬉しいことがあるんだ!」と思い、苦手意識が薄れていくかもしれません。
遊びやおねだりにとことん付き合ってあげる
これは子犬の疲労具合にもよりますが、シャンプー後も元気があり余っているようだったら、遊びに付き合ってとことん楽しませてあげましょう。いつもよりたくさん甘やかすのもよいですし、おねだりを聞いてあげるのも効果的です。
良いことずくめのシャンプー好きな犬に育てよう
初めて見るシャワー、水で重くなる体、水の音、泡立つシャンプー。初めてのことを一度に経験することになる子犬は、洗われた後はグッタリ疲れてしまいます。子犬の身になってみると、とても好きにはなれないイベントですが、シャンプーをすることにより体が清潔に保たれて病気が防げる、毛並みが美しくなる、と良いことずくめです。嬉しいご褒美を与え、満足感で満たしてあげればシャンプーに悪印象はもたないはず。あめとムチの作戦で、シャンプー好きなたくましい犬に育てましょう。
文:福井原さとみ
プロフィール:実家の犬を愛するあまり、週3日は散歩をするために実家へ帰る生活を送るライター。旅先のニュージーランドで他人に懐かなかった牧洋犬を手なずけたことが自慢。将来の野望は、豆柴犬の黒、白、赤を多頭飼いし、沖縄の離島へ旅行に連れていくことです。
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