猫も人間と同じように、定期的に動物病院へ行く必要があります。
ただ、子猫・成猫・シニア猫など、年代によって病院へ連れて行く頻度や目的が異なります。
そこで今回は、猫をこれから飼い始める人や飼い始めて間もない飼い主さんに向けて、猫を病院へ連れて行く頻度や年代別の通院のタイミングについて解説します。
愛猫の健康管理のため、飼い主としてしっかりとした知識をもつことが大切です。
ぜひ参考にしてみてください。
子猫の時期
子猫の時期は、まだ体が未熟でウイルスや細菌、病気などになりやすい時期といえます。
また、今後の健康管理のために避妊・去勢手術など、子猫の時期に行うといい処置もあります。
そこで、子猫を家族として迎えてから成猫になるまでの間の、動物病院への連れて行き方についてご紹介します。
家族として迎えたらまず健康診断
子猫を家族として迎えたら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
特に、里親などの拾った猫を飼い始める場合には、すでに病気などになっていないか、先天的なものも含めて健康状態の検査が必要です。
健康診断の検査項目
一般的な猫の健康診断の流れとしては、問診から始まり、体重測定、触診、聴診、身体チェックを行います。
そして、尿検査、検便、血液検査をします。
尿検査では、猫がなりやすいとされる腎臓病や尿石症の早期発見に効果があります。
検便では、寄生虫の有無や腸内細菌の状況を確認することができ、また、消化機能や出血がないか検査します。
血液検査では、貧血、ホルモン状態、内臓機能の異常がないか、猫エイズ・白血病の感染の有無の確認ができます。
ワクチン接種
子猫は、生まれてから2〜4か月くらいまでは、母猫の母乳に含まれる抗体によって守られているといわれています。
ただ、その効果がなくなると、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまいます。
また、母猫の母乳を飲むことができなかった子猫の場合には、抗体自体がないため特に注意が必要です。
そのため、子猫を飼い始めたら早めに動物病院でワクチンを接種しましょう。
子猫のワクチン接種の目安としては、生まれてから母猫と一緒にいれなかった場合には、すぐにでも1回目の接種を行うことをオススメします。
2回目のワクチン接種は、1回目の1か月後を目安に行いましょう。
生まれてから母猫と一緒にいれた場合にも、生後3か月になったら1回目のワクチン接種を行います。
そして、2回目のワクチン接種はその1か月後に行いましょう。
このように、子猫期のワクチン接種は2回で1セットと考えてください。
ただ、ワクチン接種も副作用などの体へのストレスがあるので、健康状態に気をつけて接種を行ってください。
去勢・避妊手術
愛猫に去勢・避妊手術を受けさせるかどうかは、獣医師さんとの相談が必要です。
一般的に、性成熟を迎える時期は、オスで6〜10か月くらい、メスで6〜12か月くらいといわれています。
特に、メスの場合には、初めての発情期を迎える前に避妊手術を受けさせるといいとされています。
去勢・避妊手術のメリットとしては、オス・メス特有の病気を予防できることや、必要以上の繁殖を防いで殺処分を減らせることが挙げられます。
また、メスは発情期のストレスが軽減され、オスの攻撃性やマーキングなどの行動も抑えることができます。
去勢・避妊手術については、全身麻酔のリスクなどのデメリットもあるため、かかりつけ医と相談し、行う場合には適切な時期に行うことが重要です。
成猫になったら
成猫の時期は、猫にとって身体的・精神的にもっとも安定した時期です。
ただ、猫の1年は短く、成猫期には私たちにとっての1年が猫にとっては4年といわれています。
そのため、成猫期も愛猫の健康維持のために、定期的に動物病院へ行くことが必要です。
成猫期の動物病院への連れて行き方についてご紹介します。
健康診断・ワクチン接種は年1回行う
成猫になってからも、病気の早期発見や健康状態の把握のために、年に1回は動物病院で健康診断を受けるようにしましょう。
特に、内臓に関する病気の場合、猫は体調不良を隠す動物といわれています。
そのため、健康診断で病気が見つかり、そのまま治療を行うというケースも少なくありません。
また、子猫期に2回行ったワクチン接種も、その後1年に1回行い続けます。
健康診断・ワクチン接種の受け忘れを防止するために、4月など時期を決めて行うこともオススメです。
健康診断の検査項目
成猫期の健康診断の検査項目は、子猫期に受けるものとほぼ同じです。
必要に応じてオプションとして、レントゲン検査や心電図、超音波エコーなどの検査を追加しましょう。
シニア期
猫のシニア期は、だいたい7〜11歳くらいから始まるといわれています。
猫の7歳は、人間の年齢でいうと45歳前後とされ、人間同様に年齢による体調の変化が始まる時期です。
そのため、成猫期と比べてさらに愛猫の体調管理が必要となります。
最近では、猫のシニア検診を特別プランで設定している動物病院もあります。
シニア期の猫の動物病院への連れて行き方について、ご紹介します。
健康診断は年2回・ワクチン接種は年1回行う
シニア期の猫は、成猫期に比べて病気になりやすく体調の変化が起きやすくなります。
そのため、健康診断の頻度も半年に1回に上げて、受けさせるとより安心です。
ワクチン接種は成猫期と変わらず年1回行い続けましょう。
健康診断の頻度を上げることで、病気の早期発見に繋がり、治療もよりスムーズに行うことができます。
検査項目
シニア期の猫の健康診断は、成猫期の項目に加えて、オプションでレントゲン検査や腹部の超音波エコー検査を行うことをオススメします。
レントゲン検査では、胸部や腹部の内臓を撮影することで、見た目からはわかりにくい病気の発見が行えます。
さらに、超音波エコー検査では、レントゲン検査でわかりにくい臓器の動きや腫瘍の有無について判断することができます。
シニア期の猫に注意すべき病気
シニア期の猫は、腎臓機能の低下やガン、心臓病、ホルモン系の病気、尿石症などの発症が多くなります。
腎不全と呼ばれる腎臓の働きが失われる病気になると、老廃物を体の外に出せなくなり、慢性化して死亡する原因にもなってしまいます。
また、猫のガンも増えており、さまざまなガンが起こる可能性があります。
このように、シニア期の猫には病気のリスクが高まるので、成猫期と比べて病院へ行くことが多くなるのが一般的です。
もし愛猫の様子で気になることがあれば、早めに病院へ連れて行ってあげてください。
また、シニア期の猫は、基礎代謝が下がって肥満になってしまうケースが多くあります。
肥満はあらゆる病気のリスクに繋がるため、日頃から愛猫の体重管理にも注意が必要です。
シニア用のキャットフードに替えるなど、工夫してみましょう。
まとめ
猫を病院へ連れて行く頻度や、年代別の通院のタイミングについてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
猫は、体調不良を表に出さない動物といわれています。
そのため、飼い主として日頃から愛猫の様子に気をつけ、体調変化に気づけるようにしましょう。
また、子猫期・成猫期・シニア期、それぞれで定期的な病院への通院が必要です。
健康診断を計画的に受けることで、病気の早期発見に努めましょう。
ぜひ動物病院へ定期的に通う習慣をつけ、愛猫の健康維持に気をつけてください。