①子犬期にかかりやすい病気と対応
犬期は、しつけ面でも健康面でも犬の一生に関わる重要な時期といわれています。犬はたった1年で成犬になるため、1日1日どんどん成長します。
子犬期には、犬も新しい家や家族に暮らし始めるなどの環境の変化に直面しています。飼い主として、愛犬の気持ちに寄り添い、心身ともに健康に暮らせるように配慮してあげたいですね。
また、子犬を飼うのが初めてという方は、子犬の健康管理に不安を抱える方も多いでしょう。
今回はそんな方のために、子犬期にかかりやすい病気について、予防や治療などとともにご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
子犬期とは
子犬期とは、一般的に生まれてから1歳くらいまでの時期のことを指します。
ただ、だいたい生後6か月を過ぎると、体重などの体の成長がゆるやかになり人間でいう青年期のような時期になります。実際にドッグフードの表記でも、生後6か月あたりから食事量や回数が落ち着いてきます。
小型犬〜中型犬では、生後6か月以降に初めての発情期を迎えることが多く、そういった意味でも成犬に近い状態となります。
大型犬の場合には、2歳くらいで成犬となる犬種もありますが、いずれにしても犬の子犬期は人間と比べるととても短いといえます。
特に子犬期の犬は、免疫力が低く感染症などの病気に注意が必要です。また、胃腸などの内臓が未熟で体力もないため、感染症などに一度かかると重症化してしまう傾向にあります。
パルボウイルス感染症
子犬期に注意が必要な病気として、パルボウイルス感染症というものがあります。1970年代に発見され、感染してしまうと致死率の高い恐ろしい病気です。
パルボウイルス感染症の原因や症状、予防・治療について、解説していきます。
パルボウイルス感染症の原因
パルボウイルス感染症の多くは、すでに感染している犬の嘔吐物や便を介して感染します。
また、人を介しても感染が確認されており、感染した犬を触った人の手から他の犬に感染した例もあります。
さらに、パルボウイルスは一般的な消毒液が効かず、半年から1年程度生存することが確認されているため、突然感染するケースもあり注意が必要です。
パルボウイルス感染症の症状
パルボウイルスに感染すると、1週間〜10日ほどの潜伏期間を経て、下痢、嘔吐、発熱、脱水などの症状がみられます。
重症化すると血便が出ることもあり、体力のない子犬は、脱水症状により衰弱して死に至ることも少なくありません。
パルボウイルス感染症の予防・治療
パルボウイルス感染症は、生後2〜5か月の子犬が感染し発症することが多い病気です。
ただ、パルボウイルス感染症は、現在ではワクチン接種によって予防することができるため、子犬期の適切なワクチン接種が有効になります。
そのため、子犬を飼い始める場合には、早めに動物病院でワクチン接種について相談するといいでしょう。
パルボウイルスに感染すると、ウイルス自体に効く薬がないため、治療としては抗生物質・抗炎症剤などの投与となります。
ジステンパー
ジステンパーとは、強い伝染力をもつウイルスに感染することで発症する病気です。
ニホンオオカミが絶滅した原因となったウイルスとしても知られています。
感染すると、犬の神経や呼吸器などに大きなダメージを与え、死に至ることもある病気です。
ジステンパーの原因
ジステンパーの感染は、すでに感染している犬の排泄物や体液に触れてしまったり、咳やくしゃみなどを吸ってしまったりすることで起こります。
ジステンパーの症状
ジステンパーに感染すると、感染後1週間弱ほどで発熱や咳・くしゃみ、鼻水などの風邪のような症状がみられます。
その後悪化すると、嘔吐や下痢、肺炎にまでつながってしまいます。
適切な治療や措置を行わないと、後遺症が残り、最悪の場合は死に至ることもあります。
ジステンパーの予防・治療
ジステンパーは、ワクチンを接種することで予防することができます。
そのため、子犬を飼い始めたらすぐにワクチン接種を行いましょう。
ジステンパーは、咳やくしゃみなどでも感染するため、色々なところに連れて行く前に予防することが大切です。
また、ジステンパーの初期症状は風邪のような症状であることから、治療開始が遅れるケースがみられます。
ただ、ジステンパーウイルスには有効な薬がないため、対症療法により治療していくことになります。
ジステンパーによってわんちゃんが苦しい思いをしないように、しっかりとワクチン接種を行い、予防しましょう。
犬コロナウイルス感染症
子犬期に気をつける病気として、犬コロナウイルス感染症があります。
コロナウイルスは、形が太陽大気のコロナに似ていることから名付けられました。
犬コロナウイルス感染症の原因
犬コロナウイルス感染症は、すでに感染している犬の便や嘔吐物などを口にすることで感染します。
ただ、犬コロナウイルスは弱いウイルスであるため、成犬や免疫力の強い犬の場合には症状が出ないこともあります。
そのため、犬コロナウイルスに感染していても、症状の出ていないケースには注意が必要です。
犬コロナウイルス感染症の症状
犬コロナウイルスに感染すると、軽い下痢や食欲不振、嘔吐などの症状がみられます。
子犬期の場合、この症状が強く出ることや長引くケースがあり、要注意です。
また、犬コロナウイルス感染症では、弱っているところに他の感染症などの病気になってしまう場合もあり、長期化・重症化に気をつけましょう。
犬コロナウイルス感染症の予防・治療
犬コロナウイルス感染症の予防のために、混合ワクチンの接種を行いましょう。
犬コロナウイルスに感染すると、食事制限と輸液治療が行われます。
犬コロナウイルスは、感染してもすべての犬が発症するわけではないため、感染した犬が散歩などでウイルスを撒き散らしている可能性があります。
そのため、免疫力の低い子犬を守るためにも、しっかりとワクチン接種を行ってください。
子犬期の免疫力
犬は生後2か月までは、母親の母乳を飲むことで免疫力をつけています。
ただ、その後は母乳による免疫が効力を失うため、自分で免疫力を高めて生きていかなければなりません。
そのため、生後2か月以降から1年くらいまでの子犬期は、免疫も未熟な状態といえます。
生後6か月を過ぎると、体も大きくなりだいぶ成犬に近づきますが、まだまだ子犬期にあたるためしっかりとしたケアが必要です。
子犬期は、成犬では発症しないような寄生虫やウイルスによって症状が出るケースが多くあるため、注意しましょう。
犬の免疫力を上げるためには、子犬期の頃から食事・睡眠・運動・衛生面などの基本的なことをしっかりとしてあげることが大切です。
飼い主として、愛犬の免疫力を含めた健康維持に気をつけてあげてください。
子犬期のまとめ
子犬期にかかりやすい病気について、その対応方法を含めてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
犬は、約1年で成犬と呼ばれるまでに成長します。
そのため、子犬期には日々どんどん成長していっています。
子犬期には成長が早い分、体調の変化も起きやすいため、飼い主としてきちんと愛犬の様子に寄り添ってあげましょう。
今回ご紹介した、パルボウイルス感染症・ジステンパー・犬コロナウイルス感染症は、きちんとワクチンを接種することで防ぐことができます。
子犬期には、少しの油断から症状があっという間に悪化してしまうケースがあります。
子犬期は飼い主として、体調不良に特に気をつけてあげましょう。
②成犬期にかかりやすい病気と対応
犬は約1年ほどで、人間の年齢でいうと17歳まで成長します。
あっという間に子犬から成犬になり、驚いている飼い主さんも多いでしょう。
成犬期と呼ばれる時期は、人間同様に犬にとっても体力・精神ともに一番充実した時期といえます。
ただ、成犬期にも注意しなければならないかかりやすい病気があります。
愛犬が歳を重ねても、健康で元気に過ごせるように、飼い主として犬の病気に関する知識をつけたいですね。
今回はそんな方のために、成犬期にかかりやすい病気について、その対応方法とともにご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
成犬期とは
犬の成犬期は、犬種にもよりますがだいたい1〜7歳くらいの時期をいいます。
維持期とも呼ばれ、犬の一生の半分くらいが成犬期にあたります。
大きく体が成長していた子犬期を過ぎ、骨格の成長が止まり、体重の変化もなくなります。
成犬期は、心と体が成熟して比較的安定している時期といえます。
ただ、そんな成犬期にもかかりやすい病気があります。
特に成犬期の前半は、若いからまだ病気は大丈夫と安心せずに、日頃から愛犬の体調管理に気をつけてあげましょう。
皮膚に関する病気
成犬期にかかりやすい病気の一つとして、皮膚に関する病気があります。
皮膚に関する病気には、細菌・寄生虫・アレルギーによるもの、3つに分かれています。
それぞれの病気について、ご紹介します。
(1)細菌によるもの
・細菌性皮膚炎
・真菌性皮膚炎
・膿皮症(のうひしょう)
・脂漏症(しろうしょう)
(2)寄生虫によるもの
・疥癬症(かいせんしょう)
・アカラス症
・ツメダニ症
(3)アレルギーによるもの
・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
皮膚に関する病気の対応・予防
愛犬の皮膚に関する病気を防ぐために、わんちゃんの皮膚を日頃から清潔に保ってあげるようにしましょう。
こまめなブラッシングや、定期的なシャンプーを行うことでダニの予防にも繋がり、さらに、わんちゃんの皮膚の状態の把握にも役立ちます。
特に、細菌やアレルギーなどは目に見えないため予防が難しいですが、こまめにケアしてあげることで変化に気づいてあげましょう。
また、食べ物が原因となる食物アレルギーをもつわんちゃんも多くいます。
もし、外的要因を取り除いても皮膚のトラブルが解決しない場合には、一度ドッグフードなどを見直すことも必要です。
いずれにしても、かかりつけ医に早めに相談することをオススメします。
胃腸に関する病気
成犬期のわんちゃんにとっても、胃腸に関する病気には注意が必要です。
犬の代表的な胃腸に関する病気は、以下のとおりです。
・胃腸炎
・胃潰瘍
・胃拡張
・胃捻転症
特に、元気な成犬期には、異物の誤飲や食べ過ぎといったことが原因で、胃腸のトラブルが起きてしまうことがあります。
胃腸に関する病気の対応・予防
犬も人間と同じように、胃腸の不調が便通に現れます。
そのため、日頃から愛犬の便の状態をチェックすることで、変化に気づくことができます。
犬の便の硬さや色などは、個体差があるため、いつもと違うという状況があれば特に注意して様子をみてあげてください。
胃腸に関する病気の原因はさまざまです。
吐き気がある、食欲・元気がない、などの症状も出やすいので、愛犬の変化にいち早く気づいてあげてください。
耳に関する病気
犬も人間同様に、外耳炎などの耳の病気にかかってしまうことがあります。
耳が垂れている犬種など、もともと耳の病気にかかりやすい場合も多いので注意が必要です。
犬の耳の病気の代表的なものは、以下のとおりです。
・外耳炎
・中耳炎
・内耳炎
・耳血腫
この中でも特に、外耳炎は、ゴールデン・レトリバーや柴犬、トイ・プードルなどあらゆる犬種でなりやすい病気として知られています。
耳に関する病気の対応・予防
耳に関する病気を予防するために、耳の中を清潔にしておくことが大切ですが、必要以上の耳掃除によって痒みが発生してしまうこともあります。
そのため、適切な頻度とやり方で愛犬の耳のケアを行い、腫瘍などがないか普段から気にかけてあげることが大切です。
もし、愛犬が耳を痒がり、強く頭を振るようなしぐさをしていたら、耳にトラブルを抱えていることがあります。
初期症状であれば、点耳薬で治ることが多いため、なるべく早めに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
泌尿器に関する病気
成犬期のわんちゃんでも、泌尿器に関する病気になってしまうことが多くあります。
泌尿器に関する犬の病気をご紹介します。
・膀胱炎
・腎盂腎炎
・尿路結石
・ネフローゼ症候群
中でも膀胱炎は、繰り返し起こる可能性が高い病気なので注意しましょう。
また、膀胱炎と尿路結石は、オスよりもメスの方がかかりやすいという特徴があります。
泌尿器に関する病気の対応・予防
泌尿器に関する病気の症状として、尿の回数や色、量、臭いなど、普段と違いが現れることが多いので、毎日のチェックで気づいてあげることが重要です。
泌尿器に関する病気の対処としては、投薬や対処療法、食事療法などで治療していくことになります。
結石の場合には、結石を取り除くための外科手術となる場合もあります。
肥満に注意
成犬期になると、子犬期と違い成長へのエネルギーが必要なくなるため、食事量などの摂取カロリーを調整してあげないと太りやすくなってしまいます。
実際に、現在は多くの犬が室内で生活するようになったため、肥満になってしまうわんちゃんが多くいます。
避妊・去勢手術の後は太りやすくなる
避妊・去勢手術の後は、ホルモンバランスが変化するため、基礎代謝が落ちて太りやすくなるといわれています。
また、欲求が食欲に向きやすくなるともいわれており、食い意地が急に強くなってしまうケースもあります。
愛犬が太ってしまわないために
愛犬が肥満になってしまわないように、「食事・おやつの量」と「運動量の確保」に気をつけましょう。
食事量は、きちんとドッグフードの適量を守り、おやつもあげすぎに注意してください。
運動量も、毎日の散歩を欠かさず行います。
犬も肥満になると、生活習慣病などのリスクが高まるため、しっかりと愛犬の体重管理を心がけましょう。
シニア期に備えよう
成犬期に健康で元気に過ごすことで、スムーズにシニア期に移行することができます。
繰り返してしまう病気や、併発してしまう病気、生活習慣病などは成犬期にかかってしまうと、体力が落ちるシニア期に影響が出てきます。
成犬期は、犬の健康に重要な時期です。
そのため、まだ若いからと安心せずに、成犬期から愛犬の健康管理に気遣ってあげましょう。
成犬期のまとめ
成犬期にかかりやすい病気について、その対応方法を含めてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
犬の一生は人間と比べると短いものです。
ただ、その分、心身ともに充実した時期である成犬期に、元気で健康に楽しく過ごせるようにサポートしてあげましょう。
今回ご紹介した、皮膚・胃腸・耳・泌尿器・肥満については、一緒に暮らしている中で変化に気づいてあげることができます。
日頃から愛犬の様子をきちんと把握し、病気の予防・治療に役立ててください。
③シニア期にかかりやすい病気と対応
最近では、犬の寿命もどんどん伸びていますが、それでも人間と比べるとあっという間に歳をとってしまいます。
犬は見た目が大きく変わらないので、シニアと言われてもピンとこない飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
ただ、成犬期を経てシニア期に入ったわんちゃんは、病気や体調の変化が起こりやすくなります。
そのため、シニア期には飼い主さんによる健康管理が特に重要になります。
そこで今回は、犬のシニア期にかかりやすい病気について、その対応方法とともに解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
シニア期とは
犬のシニア期とは、一般的に小型・中型犬の場合には7歳くらいからのことをいいます。
小型・中型犬と比べて寿命が短い大型犬では、5歳からシニア期に入ってしまうため、人間の感覚だとかなり早く感じます。
さらに、高齢犬と呼ばれるのは、小型・中型犬で11歳、大型犬で8歳程度となります。
犬も歳を重ねると、人間と同じように視力・聴力・運動機能の低下や、内臓機能の衰えといった症状が見られます。
また、精神面でも変化が見られ、これまで好きだったものに興味を示さなくなったり、逆に飼い主に対して甘えん坊になったり、といったケースもあります。
ガン(悪性腫瘍)
近年では、犬の死因でもっとも多いのはガンといわれています。
では、犬のガンにはどのようなものがあるのでしょうか?
犬のガンについて、詳しくみていきましょう。
犬のガンとは
ガンとは、無秩序に細胞が異常増殖してしまう病気のことです。
悪性腫瘍とも呼ばれ、増殖を続けると周りの健康な細胞にまで影響してしまう恐ろしい病気です。
これがよくいわれている転移ということです。
この異常増殖には体の栄養が使われてしまうため、慢性的な栄養不足や機能不全、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな悪影響をもたらします。
また、ガンは基本的に自然治癒しないため放っておくと多くの場合で死に至る病気です。
犬のガンの種類
犬によく見られるガンの種類は以下のとおりです。
・乳ガン
・骨肉腫
・悪性リンパ腫
・血管腫瘍
・肥満細胞腫
犬のガンの症状
犬のガンの症状は種類によって異なりますが、共通する症状については以下のとおりです。
・食欲不振
・体重減少
・元気がない
・動きたがらない
・リンパの腫れ
・貧血
・発熱
・しこり
犬のガンの原因
犬のガンの原因としては、老化、遺伝、ホルモンなどの内的要因と、紫外線や放射線、ウイルスなどの外的要因によるものが考えられます。
犬のガンの対応・予防
犬のガンに対する対応・予防としては、第一に早期発見が大切になります。
予防の意味からも、日頃から愛犬の全身のチェック、排泄物や食事量、散歩での様子などを行い、健康管理に努めましょう。
もしガンが発見されても、早期治療を行うことができれば長生きが可能になります。
犬のガンの治療法としては、手術・化学療法・放射線療法・薬物療法・免疫療法などが挙げられます。
愛犬の様子で気になることがあれば、早めに動物病院へ連れて行くことをオススメします。
腎不全
犬の腎不全とは、加齢によって腎臓の機能が失われていく病気のことです。
腎臓は一度機能を失うと再生しない臓器ともいわれ、進行すると死に至る病気として知られています。
シニア期に気をつけるべき病気の一つとして、犬の腎不全について詳しく見ていきましょう。
犬の腎不全とは
犬の腎臓には、以下のような働きがあります。
・老廃物を尿として排出する
・血圧の調整
・赤血球をつくる
・骨を強く保つ
・体内の水分量の調整
腎不全になると、この働きが失われる、うまく機能しないといった症状に繋がります。
犬の腎不全の症状
犬が腎不全になると、以下のような症状が出てきます。
・食欲不振
・動きたがらなくなる
・嘔吐
・脱水症状
・排尿をしない
犬の腎不全の原因
犬の腎不全の原因としては、急性腎不全の場合には、結石・腫瘍・損傷などのダメージによるものや、細菌感染や脱水から起きるものが多くあります。
慢性腎不全の原因としては、老化による腎臓機能の低下、高塩分・タンパク質などの偏った食事によるものが挙げられます。
犬の腎不全の対応・予防
特にシニア期のわんちゃんは、加齢による腎機能の低下を見逃さないために、日頃から尿の回数や量、色などをチェックしてあげることが大切です。
また、定期的な血液検査を受けると、愛犬の健康状態の把握に役立ちます。
シニア期の犬の場合、もともとあまり活発に動いていないため、元気がないなどの体調変化を見過ごしてしまいがちです。
腎不全になった場合の治療は、投薬治療や点滴治療、食事療法が挙げられます。
骨粗しょう症
シニア期の犬がかかりやすい病気として、骨粗しょう症があります。
犬の骨粗しょう症はどんなものなのでしょうか?
犬の骨粗しょう症について詳しく解説します。
犬の骨粗しょう症のとは
骨粗しょう症とは、病気や加齢によって骨の密度が低下して骨の中がスカスカの状態のことをいいます。
通常であれば、骨も新陳代謝が行われるところ、この代謝がうまくできなくなってしまい、骨がもろくなっています。
犬の骨粗しょう症の症状
犬の骨粗しょう症の症状は以下のとおりです。
・運動をしたがらない
・関節痛
・動きが遅い
犬が骨粗しょう症になる原因
シニア期の犬が骨粗しょう症になってしまうのは、歳をとることで体全体の新陳代謝が低下し、骨の分解速度に新たな骨を作る速度が間に合わないことで起こります。
骨の生成には刺激が必要となるため、シニア期の運動量の低下が要因ともいわれています。
犬の骨粗しょう症の対応・予防
犬の骨粗しょう症を予防するためには、適度な運動と日光浴、バランスの取れた食事が効果的です。
犬の骨粗しょう症の治療法としては、投薬療法や食事療法が挙げられます。
犬の骨粗しょう症は、骨折や寝たきりなどを引き起こしてしまうことがあるため、注意しましょう。
認知症
シニア期には、犬も認知症の症状が出るケースがあります。
特に近年は動物医療が発達し、犬も長生きできるようになり、犬の認知症という言葉が聞かれるようになりました。
犬の認知症の症状
犬の認知症の主な症状は以下のとおりです。
・夜鳴きする
・トイレを失敗する
・徘徊する
・食欲が増す
犬の認知症の対応・予防
犬の認知症を予防するためには、積極的に運動や日光浴などの刺激を与えることが大事になります。
また、犬の認知症の症状は、不安という感情から行動となって起こるといわれています。
そのため、愛犬が安心できるように、スキンシップや家族で一緒に過ごす時間を増やし、認知症が悪化しないようにしてあげましょう。
犬の認知症への対応としては、家の中を徘徊してもケガをしないように家具の角を保護したり、床に滑り止めマットを敷いたりといった方法がオススメです。
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シニア期のまとめ
シニア期にかかりやすい病気について、その対応方法を含めてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
愛犬が歳をとることは避けられないので、なるべく快適なシニア期を過ごせるように飼い主として工夫して生活しましょう。
今回ご紹介した、ガン・腎不全・骨粗しょう症・認知症は、日頃から一緒に暮らしている中で変化に気づいてあげることが大切です。
犬は言葉を話すことができませんが、日々の様子から体調の変化にきちんと気づいてあげてください。
愛犬が健康で楽しく暮らしていけるように、飼い主として犬の健康管理に努めましょう。