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子犬の食事の与え方ガイド――何を?どんなふうに?いつ?の疑問を解決

子犬の食事の与え方ガイド――何を?どんなふうに?いつ?の疑問を解決

初めて子犬を家に迎えることは未知の場面の連続ですね。なかでも子犬の食事はたくさんの疑問が湧いてくる大きな課題です。この記事では子犬の食事の選び方、食事について注意すること、知っておきたいことなどの大切なポイントをあげて、子犬の食事の与え方のガイドラインとしてご紹介します。

子犬のためのフードのタイプと選び方

子犬の体はとても早いスピードで成長します。どんどん大きくなる骨や筋肉を作るために、成犬よりも多くの栄養が必要です。さて、どんなフードを選べばよいのでしょうか?

必ず『子犬用/パピー用』と表示されているものを

離乳後の子犬には必ず『子犬用』や『パピー用』と表示されている専用のフードを選びます。子犬用のフードには骨や筋肉の正常な成長のために必要な栄養分が配合されています。成犬用のフードの栄養はすでにできあがった体を維持するためのものですので、子犬の体を作るためには不十分なのです。

栄養のバランスが難しい手作りの食事や、バランスを崩すこともあるフードへのトッピングも子犬期にはおすすめできません。

良質なフードを選ぶためのポイント

子犬に最適なフードを選ぶには、まずは子犬の出身ブリーダーか、かかりつけの獣医さんに質問してみるのが一番です。いくつか候補を決めているなら、フードの原材料一覧を見てもらい意見を聞くのもいいですね。

原材料は含まれる量が多いものから順番に表記されています。犬は、本来は肉食の動物ですので、フードの原材料一覧の最初の2〜3種類がチキンやラムなど動物性のタンパク源のものの方が、コーングルテンや小麦グルテンなど植物性のタンパク源のものに比べて、体に負担がかかりません。フードが犬の体に合っていれば、便の形がしっかりしてニオイも少なくなります。皮膚や被毛も健康でツヤがあるかなど、フードだけでなく犬の状態も総合的に見て、良いフードを選びましょう。

小型犬と大型犬のフードの違い

子犬用のフードは、「小型〜中型犬用」「大型犬用」とさらに分類されています。ラブラドールやゴールデンレトリバーなどの大型犬は、小型犬や中型犬に比べて成長のスピードがゆっくりです。そのため、大型犬の子犬用フードは、その他の子犬用フードに比べてカルシウムやリン、脂肪が少なめに配合されていることが多いです。普通の子犬用の配合では栄養過多で成長が急激になりすぎて、関節に負担をかけることになるからです。大型犬は成長過程で股関節形成不全を発症する例も多いので、そのリスクを低くするためにも大型犬の子犬用のフードを選ぶことは大切です。

子犬の正しい食事の量と回数は?

人間の赤ちゃんが大人と同じものを食べられないのと同じで、子犬に食事を与えるときにも、成犬とは違う準備や注意が必要です。

どのくらいの量を与えればよい?

一番の目安にするのは、ドッグフードのパッケージに書かれている給餌量です。ただ、子犬は一匹一匹みな違います。パッケージの説明を目安にしつつ、個々の子犬に必要な量を見きわめます。毎回食べきれずに残すという場合は、その子犬にとっては多すぎる量ということですね。全部食べたけれど、後で吐いたり翌日おなかが緩くなったりするようなら、やはり少し量が多いのかもしれません。また空になった器をいつまでも舐めていたり、成長が遅かったりする場合はフードの量を増やす必要も考えられます。迷ったときには獣医さんに相談して、その犬に適切な量を見つけていきましょう。

離乳後の子犬には、ドライフードにぬるま湯をかけてフワフワした感触になるまでふやかしたものを与えます。大型犬の場合は生後9〜10週、小型〜中型犬は生後12〜13週を目安に、ふやかしフードから普通のドライフードにしていきます。急にカリカリしたドライフードに変えるとおなかに負担がかかるので、ふやかすお湯の量を毎日少しずつ減らして、7〜10日くらいかけて移行します。もしカリカリしたフードを嫌がる場合は、ふやかしフードに戻してもOKです。時期を見て、再び毎日少しずつドライへの移行を試しましょう。

食事は1日に何度?

フードのパッケージに表示されている1日の給餌量を、生後6〜12週は1日4回、生後3〜6ヶ月では1日3回に分けて与えます。生後6ヶ月を目安に、成犬と同じ1日2回の食事回数に移行していきます。犬が幼いうちは消化器官もまだ発達していないので、少量ずつ回数を分けて食べることで負担をかけないようにします。また空腹時の血液中の糖分低下を調整するための肝機能も未発達なため、子犬は低血糖症を起こしやすいものです。低血糖状態の時間が長く続くと命にかかわることもありますので、子犬のうちは1日複数回に食事を分けることが大切です。

幼齢のうちは、おやつはできるだけ与えない方がベターです。必要なカロリーはきちんとバランスのとれた栄養が含まれるフードから摂ることが理想的です。トレーニングのご褒美に食べものを使う場合は、1日の給餌量のフードの中から取り分けるとよいでしょう。

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体重測定で成長を確認しよう

定期的に体重を測ることで、子犬が順調に成長しているかどうかを確認します。また、フードの切り替え時期も見きわめやすくなります。

週に一度は体重測定

毎週1回決まった日に体重を測り、記録をつけておきましょう。ブリーダーや獣医さんに、その犬種の週齢ごとの適正体重を確認して、測定した体重と比較します。子犬は1週間で驚くほど成長するので、毎週測定した体重に合わせて食事の量の見直しも行います。獣医さんに成長や健康状態の相談をする際の大事な目安にもなるので、体重の記録は重要です。

成長は大切、でも肥満は避けて

子犬の体重が順調に増えるのは良いことですが、肥満には気をつけなくてはいけません。最初は子犬特有のぷっくりコロコロした体型ですが、生後3ヶ月くらいを境にだんだんとすっきりした成犬の体型に近づいてきます。生後5ヶ月くらいには、あばら骨の存在が見てもわからないが、触ると位置が確認できる程度の状態が目安となります。犬を上から見たときに、ウエストのラインがうっすらと確認できるのが理想体型です。(犬種にもよるので、獣医さんとの連携を忘れないでください)

犬用の製品であっても、おやつを与えすぎたり、おねだりに負けて人間の食べものを与えてしまったりすると、肥満につながりやすくなります。規則正しくバランスのとれた食事と、しっかり運動することで肥満を予防したいですね。

成犬用フードへの切り替え時期も体重が目安

子犬の体重が成犬として予想される体重の90%に達したら、成犬用のフードに切り替え時期の目安です。月齢で言えば、小型犬の場合は生後7〜9ヶ月、中型犬なら9〜12ヶ月、大型犬は12〜18ヶ月です。気をつけたいのは、成犬用フードへの切り替えが早すぎるよりは、子犬用フードの時期が長すぎるくらいの方がよいということです。

成犬用フードに切り替えるときも、新しいフードを今までのフードに1〜2割混ぜて、毎日少しずつ新しいフードの割合を増やしていき、7〜10日かけて切り替えていきましょう。

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家族みんなで子犬の成長をサポート

子犬の食事は、その犬の生涯の健康の土台とも言える大切なものです。体を作るための栄養はもちろん、回数を分けてこまめに食べさせたり、フードと体調の関係をじっくり観察したりすることが、飼い主さんと犬の絆を深めることにもつながります。かわいい子犬は家族のアイドルになるものですが、食事についての注意点は家族全員が理解してルールを守ることも大切です。気をつけるポイントをしっかりと押さえて、子犬の健やかな成長をサポートしてあげたいものですね。

 

文:ガニング亜紀

プロフィール:犬の味方のフリーライター。シェルターから来た保護犬2匹と暮らしています。愛犬の健康管理や、地元のアニマルシェルター、動物に関する法律などを知るようになったことがきっかけでアメリカの犬事情の発信記事を書くようになりました。犬や猫を取り巻く環境について幅広く書いています。アメリカ在住。

参考:

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