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猫にストレスは大敵! 猫と一緒に楽しく暮らす飼育方法

猫にストレスは大敵! 猫と一緒に楽しく暮らす飼育方法

人間の身近にいる動物といえば、犬と猫。猫にはどんなイメージを持っていますか? のんびり昼寝、きまぐれ、とにかくかわいい、などでしょうか。実は、猫はとてもストレスに弱い生き物なのです。ストレスがかかると体の調子を崩したり、粗相などの問題行動を起こしたりします。猫が健やかに幸せに暮らすためには、いかに猫にストレスをかけない暮らしを整えてやれるかが大切です。猫にストレスをかけない飼育方法をお伝えします。

猫がストレスを感じるのはどんなこと?

猫がどんなことにストレスを感じるのか、そしてストレスを感じているときにどんな行動をするのかを知っておけば、ストレスフリーの暮らしに一歩近づくことができます。

猫はルーティーンが好き

猫は環境の変化に弱い生き物です。いつもと同じ場所、いつもと同じ毎日を好みます。引っ越しや病院に連れて行く以外での移動や旅行は、なるべく控えると良いでしょう。また移動以外でも、食事の時間など毎日の生活時間を大まかに固定してルーティーン化することで、猫は毎日の生活に安心感を持ちます。

病院へ行くときも、移動や環境の変化に伴うストレスが生じますが、これを軽減する方法もあります。くわしくは「猫が病院を嫌がるのは当たり前! ストレスの軽減法と病院の探し方[i1] 」の記事をご覧ください。

猫はきれい好き

猫はきれい好きです。猫用のトイレは飼育頭数+1個を準備して、排泄後の清掃を心がけ、いつも清潔にしておきましょう。また、猫にはそれぞれ猫砂の好みがあります。好みを探り、排泄ストレスを減らすようにしましょう。

猫は自分のペースで過ごすのが好き

最も大切なのは、猫のペースを守ってやることです。人間が無理やり抱っこしたり、ずっとなでていたり、四六時中声をかけていると、大きなストレスになります。猫が寄ってきたとき、猫のほうからコンタクトを取ってきたときにかまってやるくらいが、猫にとって心地よい距離感になるのです。

嫌だな、ストレスを感じるなと思っているときの猫は、表情が険しくなります。眉間にしわが寄ったり、目付きが鋭くなったりします。また、あくびをしたり、しっぽを大きくバタバタ振ったり、のけぞったりするときもイライラしたりしているときのサインです。

ストレスを感じるままにしておくとストレスが蓄積して、家中を走り回ったり、排泄の失敗が続いたり、尿をスプレーのようにかけて回ったり、興奮しやすく噛みついたりするようになります。猫の小さな「嫌だよサイン」を見逃さないようにすれば安心ですね。

それぞれの猫にあった飼育方法

人間にも性格がいろいろあるように、猫も性格や個性がいろいろです。元気な猫、のんびりした猫などそれぞれの性格にあった飼育方法の工夫をすれば、より良い暮らしを送ってもらうことができます。

元気な猫は散歩や運動ができるようにする

元気な猫なら、室内で散策ができるようにキャットタワーをいくつか設置したり、壁にキャットステップを設置したりするのがおすすめです。棚の上などの高いところを上り下りする運動ができるようにすると、猫の生活の質も上がるでしょう。

屋外が好きな元気な猫なら、ベランダや庭に脱走防止柵をつくったうえで、自由に出入りできるようにすると満足するでしょう。また、散歩を一緒にするのも猫の楽しみになります。猫にも軽いロングリードとハーネスをつけて、安全な場所を一緒に歩くことができます。

のんびりした猫にはくつろげるスペースを

のんびりした猫なら、家のなかで居心地のいい場所の数ヶ所にクッションや猫ベッドを設置しましょう。棚の上などの高いところ、午前中の日なたの位置、午後の日なたの位置などにくつろげるスペースを用意してやると、自分の時間をのんびり快適に過ごすことができます。

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ちょっとしたことで満足度アップ

猫との暮らしで、人間が少し工夫するだけで猫の満足度がアップするコツがあります。

グルメな猫を満足させるには?

猫はグルメが多いです。同じフードを続けて食べてくれなかったり、マグロしか食べなかったりと、食へのこだわりがあります。グルメな猫の場合、食事の用意に苦労しますが、盛り方とふりかけなどのトッピングを工夫してみてください。小さい器にこんもりとのせたり、ひと粒ずつ目の前に出してあげたり、大きな器に平べったく盛り付けしたり。同じフードでも盛り方を変えるだけで、おいしく食べてくれることも多いです。また、ふりかけもおすすめです。ささみを乾燥させて細かくしたものやチーズ、かつおぶしなどをふりかけたり、お肉の煮汁、出汁などをかけたりすると喜びます。

いつも新鮮な水を用意しよう

猫は水をあまり飲まないので、水を飲ませる工夫をしましょう。コップ、お皿などいろんな形状の水入れがあると、よく飲みます。たくさん飲みたいときはコップから、少量でいいときはお皿からなど、自分で調整もできます。また、できるだけ水はこまめに取り替えましょう。新鮮な水を用意すると、猫も気持ちよく飲むことができます。

コミュニケーションはまばたきで

猫はきまぐれといわれますが、とても社会性の高い生き物です。人間に対してよく声でコミュニケーションをとってきます。猫と人間は違う種族なので、コミュニケーションを完璧にとることは難しいのですが、猫のコミュニケーション方法を真似することで、よく伝わるようになります。

おすすめなのが、まばたきです。猫は「やあ!」などのあいさつや親愛の表現をまばたきでします。ゆっくり一度、まばたきをするのがサインです。猫と偶然目が合ったときや、コミュニケーションを猫から取ってきたとき、ゆっくり一度まばたきをしてみてください。猫を大切に思う気持ちが伝わるでしょう。

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ストレスの少ない猫はかわいい

このように猫の習性とニーズを満たしてやるように少しずつ工夫すると、猫も飼い主も楽しく暮らすことができます。猫が暮らしやすい環境の整備と、ちょっとした配慮を忘れずに。おいしく健康的なごはん、新鮮な水、清潔なトイレ、そして猫が自分のペースで暮らせるように見守ること。そうすれば、猫はのんびり、ストレスフリーに暮らせるでしょう。ストレスの少ない猫は、かわいい仕草をたくさん見せてくれたり、コミュニケーションを取ってくれたりするのです。

 

文:福井日花里

 

プロフィール:

アニマルケアサービスMakani代表。犬、猫そして一緒に暮らす人間がともに幸せに暮らすことができるようにお手伝いをしています。特に、問題行動に悩む犬猫や保護犬、不適切な飼育をされていたり、捨てられたりした犬猫の心のリハビリを専門にしています。愛玩動物飼養管理士1級。愛玩動物救命士。ペット栄養士。

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