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猫が病院を嫌がるのは当たり前!ストレスの軽減法と病院の探し方

猫が病院を嫌がるのは当たり前!ストレスの軽減法と病院の探し方

愛猫の病院嫌いに困っている飼い主さんはいませんか? 病院に行くことを察知してひどく鳴く猫もいれば、大暴れする猫もいます。さらに病院で体調が悪化する猫さえいます。しかし病院を避け続けることはできません。愛猫が感じる病院でのストレスを少しでも軽減するために、今からできる対策を紹介しますので、参考にしてみてください。

猫の病院嫌いは当たり前

猫は変化を嫌う動物です。年齢を重ねれば重ねるほど、その傾向が強くなります。たとえば、家具の配置が変わった、フードが新しくなった、シャンプーが変わった、トイレの砂が変わった、といったような小さな変化でもイライラすることがあります。

ちょっとしたことが気になる猫は、体調を崩すとそれだけで不安になったりストレスを感じたりします。そんなとき、キャリーバッグに入れられ、車に乗せられ、自分や家族の匂いがしない病院に連れて行かれるという普段とまったく違うことが続けば、ストレスを感じないはずがありません。

さらに獣医師や看護師に抑えつけられたり、注射をされたり、薬を飲まされるという嫌な経験が続くのですから、病院が嫌いになって当然でしょう。猫の病院嫌いは、ふだんの生活リズムが崩れることと不快な経験が理由なのです。

今日からできる4つの病院ストレス軽減方法

猫が病院嫌いなのはしかたがないことですが、感じるストレスを軽減することは可能です。自宅でできるストレス軽減法を4つ紹介しましょう。

キャリーケースを毎日使う

ほとんどの猫は完全室内飼いでしょう。外へ出ることがありませんから、キャリーケースを使うこともほとんどないはずです。このため「キャリーケースに入ると嫌な病院へ連れて行かれる」というように、猫がキャリーケースに対してマイナスのイメージを持ちやすくなっています。これを避けるために、ふだんからキャリーケースを部屋に置き、寝床として使ってみてください。

キャリーケースの中でくつろげるようになると、病院に行ったときでもキャリーケースがくつろぎの場になっているので、ストレスが軽くてすみます。キャリーケースは毎日使って、マイナスイメージが定着しないようにしましょう。

キャリーケースの中にお気に入りタオルを入れておく

猫は匂いを大切にする動物です。猫が鼻先やおでこを擦りつけてくることがありますよね。これは、単に甘えているのではなく、自分の匂いを相手につけると同時に、相手の匂いを自分につけて確認しています。猫は自分が知っている匂いに包まれていると安心できるのです。

このため病院に行く時は、キャリーケースの中にふだん使っているタオルや毛布、飼い主の匂いがついた服などを入れることをおすすめします。慣れない匂いに包まれた病院内でも、身近にお気に入りの匂いがあると猫は安心できます。匂いを使ってストレスを軽減してやりましょう。

キャリーケースにタオルをかけて視界を制限する

仲のよい猫や大好きな飼い主と視線が合った場合、猫はじゃれあったり、体を擦りよせたりして匂いを交換します。しかし、知らない猫や初対面の人と視線が合うと、強い警戒心を抱くうえ、ケンカのきっかけになることもあるのです。

猫は争いごとを嫌う動物なので、慣れない場所で知らない人や動物と頻繁に視線が合う状況はとても苦手です。病院に行った時は外が見えないようにキャリーケースにタオルをかけましょう。視界をさえぎり、キャリーケースの中を自分だけの空間にして安心させてあげることが大切です。

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フェロモン製剤を使う

フェロモンと聞くと、異性を惹きつけるものというイメージがあるかもしれません。しかし、心を落ち着けるフェロモンもあり、製剤として売られています。ナイーブでデリケートな猫の場合、移動で利用する車やキャリーケースの中に噴霧したり、フェロモンをつけたタオルで猫を包みこんだりして、いつでもフェロモンを感じられる環境をつくってやりましょう。これでストレスを緩和できる場合があります。

ただし、フェロモン剤を利用する場合は、まず獣医師に相談して、期待通りの効果が得られる可能性や使い方を十分に確認してから使ってください。フェロモン製剤は即効性がなく、猫の性格なども効果に影響するので長い目で見るようにしましょう。

猫に負担がかからない病院の探し方

病院のなかには、猫に優しい環境を整えてくれているところがあります。こうした病院を活用するのもおすすめです。以下のようなことを参考にしましょう。

待ち時間を車内で過ごせる

駐車場があり、待ち時間を車内で過ごせる病院なら、愛猫が犬やほかの猫、ウサギなどと接触する時間を極力短くできます。

猫を専門とする病院である

まだまだ数は少ないですが、猫専用の病院があります。来院者は猫のみで、猫の特性・習性を熟知した獣医師が診てくれるので理想的な環境です。

猫専用の待合室がある

病院のなかには猫がほかの動物と接触しなくてすむよう、猫専用待合室を準備しているところがあります。安心して待つことができるので、犬などが苦手な猫におすすめです。

自宅まで往診してくれる

出張費用が必要になりますし、決して多くはありませんが往診してくれる病院もあります。

  • 老猫になって、移動が負担になる
  • 病気の症状が重く、移動が難しい
  • 慣れない場所が極端に苦手で症状が悪化してしまう

こうした猫の場合、安心できる家で診てもらえることは非常に大きなメリットです。往診してくれる病院をかかりつけにするのもひとつの選択肢です。

病院を日常的に利用して慣れておくのが理想

「病院は嫌なことをされる場所」というマイナスイメージが、猫を病院嫌いにしてしまいます。このため、できれば病院という場所自体に慣れておきたいものです。キャットフードを買いに行ったり、ブラッシングや爪切りといったボディケアで利用したり、定期的に健康診断を受けたりするなど、病気やケガ以外でもこまめに病院に足を運んでみましょう。日常的に利用することで病院も猫のなわばりになりますし、嫌なことをされない経験も積めます。病院に行くことが非日常でなくなれば、ストレスを軽減することができます。一度も病院を利用せずに一生を終える猫はほとんどいません。必ずお世話になる病院ですから、家でできるストレス軽減方法を試しつつ、病院自体にも慣らして感じるストレスを軽減してやりましょう。

 

文:須永 智尋(すなが ちひろ)

プロフィール:

15年の社会人経験後、育児と仕事の両立を考えてフリーライターに転身。小動物看護士・小動物介護士・ドッグシッター・人工授精士(牛)という資格を活かし、ペットの飼養管理・しつけ・介護などについてアドバイスをしたり、ライターをしたりしている。ダルメシアンやゴールデン・レトリバーといった大型犬を飼うことが夢。

参考:

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