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知らないと命に関わることも!知っておくべき犬の病気と正しい予防策

知らないと命に関わることも!知っておくべき犬の病気と正しい予防策

犬の病気は数多くありますが、飼い主が少し気を配るだけで予防できたり、発症率を下げたりできるものもあります。ライフステージが変わると、かかりやすい病気も変わるため、対策も変えていく必要があります。ライフステージごとの注意したい病気と、正しい予防策について考えてみましょう。

ライフステージ別の犬がかかりやすい病気とは?

ペットフード協会の統計によれば、人気が高いチワワやトイプードルなどの超小型犬の寿命は、平成28年時点で15年を超えています。この15年間を犬のライフステージごとに分け、かかりやすい病気をみてみましょう。

子犬がかかりやすい病気

子犬は免疫力が弱く、体力がありません。このため、ウイルスや細菌による感染症の予防が最大の課題になります。

特に注意したい病気は、犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬レプトスピラ症、犬パラインフルエンザウイルス感染症です。こうした病気に感染すると数日間で重症化し、命に関わる状態になってしまうこともあります。

成犬が注意したい病気

ほとんどの犬は生まれて1~2年で体が完成し、成犬になります。成犬は活発に動き回るため、ケガに注意が必要です。

室内で飼われている超小型犬は床で滑ったり、椅子や階段から飛び降りたりして骨折や捻挫をすることがよくあります。また、散歩の途中にケガをし、傷口から細菌やウイルスが侵入して病気になることもあります。

もうひとつ注意したいのは皮膚病です。原因はアレルギー、ノミやダニ、細菌などさまざまで、症状のひとつである痒みは犬にとって強いストレスになります。治療にも時間がかかり、とても厄介な病気です。

老犬が注意したい病気

犬は大体7~10歳で老犬といわれるようになります。老犬が注意したいのは、生活習慣が関係する肥満症、腎臓病、肝臓病、糖尿病、歯周病、そしてガンや認知症です。

また、体だけではなく心も年を取り、気力や意欲を失っていく犬が多くいます。心のケアも重要です。

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飼い主が取れる予防策とは?

ライフステージごとに注意すべき病気は違ってきますが、多くの病気は日ごろの備えで予防できます。

感染症はワクチンで対策を

子犬が注意したい感染症は、ワクチンを接種することで予防できます。ただ、狂犬病以外の病気のワクチンは任意接種なので、接種するかどうかは飼い主の判断に任されています。

「室内飼いだから必要ない」「副作用が心配」という声も聞かれますが、ワクチンを接種していないと利用できないサービス(ドッグラン、ペットホテル、ペットサロンなど)もあります。公衆衛生の面から考えても接種しておくことをお勧めします。

★一緒に読んでほしい記事:これで安心「子犬のワクチン接種ガイド」

予防薬を適切に使おう

アレルギーや皮膚病の原因のひとつであるノミやダニは予防薬を使うことで駆除できます。

そして、感染すると心臓や血管がボロボロになってしまう恐ろしいフィラリア症も、フィラリア予防薬を活用することで予防できます。フィラリアは蚊が媒介する病気で完治が非常に困難な病気なので、毎年忘れず予防薬を利用したいものです。

予防薬は獣医師が処方するものですが、食べさせるタイプや、皮膚に垂らすタイプなど、いろいろな種類があります。獣医師に相談して愛犬に合ったものを探してみてください。

歯周病はオーラルケアで予防

実は成犬の約8割が歯周病予備軍または歯周病になっているといわれています。歯周病がひどくなると歯が抜けたり、歯肉から血が出たり、傷口から細菌やウイルスが侵入して全身に症状が広がったりします。

歯周病の原因は、歯垢が固まってできた歯石です。歯垢は2~3日で歯石になるので、2日に1度は歯を磨いて予防しましょう。

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心の病気は飼い主の関わり方で予防できる

犬の心の病気は、ほとんどが飼い主の態度やしつけが原因です。飼い主と離れられない犬、非常に攻撃性が強い犬、足や尾を噛み続けるといった異常行動を繰り返す犬がいます。こうした犬は、心のケアが必要ですが、同時に飼い主の考え方も変えなければなりません。

犬と人が適度な距離を保った生活をする、犬に主導権を握らせない(犬の要求を優先する飼い方をしない)、ストレスがたまらない環境を整えるなど、飼い方に注意すれば予防できます。

また、老犬になると、認知症になって心の病気を患うこともあります。この場合は獣医師と相談して薬を使用したり、愛犬がケガをしないよう安全なエリアを作ったり、できる限り一緒に時間を過ごして心のケアをしてあげましょう。

犬の病気は早期発見、早期治療が鉄則

病気はできるだけ早く見つけ、症状が軽いうちに治療するのが鉄則です。治療は獣医師がするものと思われがちですが、最も力を発揮するのは飼い主です。

犬の一番近くにいるのは飼い主です。早期発見・早期治療は、飼い主が愛犬の小さな異変・異常を見つけられるかどうかにかかっています。愛犬の体温、食事の量、排泄の回数や量、運動量などを日ごろからチェックし、ちょっとした変化にも気付けるようになるのが理想です。

小さな変化に気付いたら、できるだけ早く動物病院に行き、病気の有無を確認するようにしましょう。そのためにも、愛犬の健康手帳を作り、かかりつけ医を持つことをお勧めします。

飼い主とかかりつけ医が一緒になって愛犬の健康維持を

飼い主自身が病気の予防に注意を払い、毎日のふれあいを通して愛犬の健康状態をチェックするようにしましょう。小さな変化を見逃さないようにし、病気の早期発見・早期治療に力を入れてください。ワクチンや予防薬を活用し、かかりつけ医と連携しながら愛犬が快適に天寿をまっとうできるようにしたいですね。

文:須永 智尋(すなが ちひろ)

プロフィール:15年の社会人経験後、育児と仕事の両立を考えてフリーライターに転身。小動物看護士・小動物介護士・ドッグシッター・人工授精師(牛)という資格を活かし、ペットの飼養管理・しつけ・介護などについての指導や執筆を行っている。ダルメシアン、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバーといった大型犬を飼うことが夢。

参考:

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