猫や犬は、人間の何倍ものスピードで年をとり、想像する以上に早くお別れしなければならないこともあります。愛する猫と1分1秒でも長くともに生きるため、飼い主ができることや対策を考えてみました。
いつから老猫になるの?
猫は、7歳から静かに老化していきます。人間の年齢でいえば45歳ぐらいで、老猫期の入口ともいえます。挙げられる老化現象としては、視力や聴力の低下、筋力の衰え、睡眠時間が長くなる、などです。病気なども増えてくる時期のため、定期検診を欠かさないようにしましょう。
猫の場合、外見上は劇的な変化が見られないため、年齢を重ねた愛猫を見ても「年とったなあ」とは感じられないかもしれません。しかし、生き物は必ず老いていくもの。人間の高齢者に置きかえて、無理はさせないよう愛情といたわりを持って接することが大切です。
老猫へのケアって?
老猫にいつまでも元気でいてもらうために、今からできることとは何でしょう。注意して実行しておくべきケアをいくつかご紹介します。
- 爪切り:高齢になると爪とぎを怠る猫が多いため、注意して爪切りをする
爪とぎを怠ると肉球を傷つける要因になったり、物に引っかけてケガや骨折などの事態を引き起こす危険があります。こまめにチェックをすることが重要です。
- ブラッシング:老猫になると毛づくろいをしなくなるため、皮膚病対策のためブラッシングを定期的に行う
ブラッシングは毛並みを美しく整える以外に、皮膚病を防ぐための対策としても大変有効なケアになります。毎日実行するのは難しいかもしれませんが、週に1度は時間をつくり、じっくりとブラッシングしてやりましょう。
- 歯みがき:歯周病対策のため、歯みがきを入念に行う
できれば子猫のころから、歯みがきに慣れさせることが重要です。年齢を重ねると歯周病になるリスクが高くなりますし、ひどい状態になると食事ができなくなることがあります。獣医師によって処方された健康サプリメントを与えるなど、医学的な効果が見込まれるケアをしてやってください。
老猫との暮らしで日々注意すること
限りある猫との生活を少しでも長く延ばすために、老猫にしてやれることは何かを念頭において世話をしてください。食事や飲み水、トイレ、睡眠、病気との向き合い方など、子猫の時代とはまったく違う生活になるため、注意といたわりが必要です。人間の高齢者と同様、身体の自由度がきかなくなってくるため、猫の身になって生活環境を整えることがとても重要です。ここでは毎日の生活で注意できることに焦点をあててみます。
- 生活しやすいように、部屋の環境を整える
子猫のときのように俊敏に動くことができない老猫は、キャットタワーに上るのはひと苦労なはずです。そのためタワーの位置をやや低い位置にしたり、距離を縮めるなどのひと工夫を行ってください。猫にストレスを感じさせることのない環境づくりが大切です。また、年齢を重ねると足腰が弱くなっていくため、フローリングなどのつるつるした面には滑り止めを塗る、カーペットを敷くなどの対応をしましょう。
- 猫の異変を察知する
きちんと食事をとっているか、排尿、排便は問題ないか、身体の異変をしっかりと把握しておくことが大切です。猫ががまんせずにいつでも用を足せるよう、トイレは常に清潔に。排泄の状態で健康の状態がわかるといっても過言ではありません。かなりの高齢猫の場合は、まめに記録をつけておくと、病気を未然に防ぐことができるかもしれないので、十分に注意しましょう。
老猫と幸せに生きていくために
ともに暮らして年月を重ね、なくてはならない存在になった愛猫。少しでも長く一緒に生活するため、できることや対策を知って、猫との生活を楽しみたいですよね。最近では、ペットフードの充実や医療の進歩で猫の寿命が伸びています。猫の寿命は、飼い主の努力にかかっているといっても過言ではありません。猫との幸せな生活を楽しむためにできることを、今から実行していきましょう。
参考:
文:福井原さとみ
プロフィール:実家の犬を愛するあまり、週3日は散歩をするために実家へ帰る生活を送るライター。旅先のニュージーランドで他人に懐かなかった牧洋犬を手なづけた事が自慢。将来の野望は豆柴犬の黒、白、赤を多頭飼いし、沖縄の離島へ旅行に連れていく事です。